2018年に就農し、一人で農園を営む中井さん。
昨年2020年より本格的にいちごを栽培し始めるが、初年度はコロナで厳しい状況に。

2年目の取り組みとなる今年のいちご栽培について、新規就農者としての農業との向き合い方、
そんな中井さんを迎えてくれた大沢についてお話を伺いました。
　
　

みんなで楽しんでいた農業

前職であるインテリア企業にて「豊かな生活を提供しよう」という理念がありました、
食や健康を考える活動を通じて農園を皆で楽しんでいたという中井さん。

農園に興味を持ち続け会社の仲間たちとブルーベリーなどを栽培し、
いつしか本格的に仕事として挑戦してみたいと転身し農家として歩まれました。

前職の仲間たちとお揃いで作った「Hatake-bu」と刺繍が入ったおしゃれなつなぎを着こなす中井さんは、
終始笑顔で現状についてお話をしてくださいました。

大沢での就農といちごとの出会い

最初はブルーベリーを育てたくて、色々調べているとここ大沢で育てている人を知り、
何度か見に来ているうちに大沢町で農業を始めることになったそうです。

今ではブルーベリーやブラックベリーも手掛けられており、
他にも季節の野菜やハーブなども栽培していますが少量の栽培。

夏にブルーベリーとブラックベリーを栽培し、そして冬にいちごを栽培することが
今は柱になっているとのことですが、いちごとの出会いはどの様な感じだったのでしょうか。

ビニールハウスを借りたいとおもっていたところ、
農会長さんから紹介されたのが今のハウスです。
ハウスは「いちごの仕様」ということもあり、挑戦しようと思いました。

そんな中井さんに大沢町の印象を伺うと、
北区は寒暖差があるため野菜なども美味しく育つので農業には向いている。

いちごを扱う時にも色々な人にアドバイスをいただいています。
大沢町は新米農夫にも親切で、とても良いところだと話されていました。

中井さんの作るいちご／おすすめは「やよいひめ」

「健康な苗から美味しいいちごができる」と、
紫外線を活用した特殊な照明を使い、できるだけ農薬を使わない栽培を目指す。

中井さんおすすめのいちごは「やよいひめ」。

たくさんある種類の中でも食感と香りが良く、
昨年にはお客様より「美味しかった」と多数問い合わせをいただいたそうです。

そして来年に広げたいと取り組んでいるのが「よつぼし」。

通常苗から育てるいちごを、種から育てるのが特徴の「よつぼし」は、
実の大きさは少し小ぶりでも味も香りも良く、さっぱり感があり上品ないちご。
「色々試してみて良ければ広げていきたい」と、ワクワク話をしていただけました。

新しい挑戦を続けること

中井さんのこれからについてお聞きしました。

「昔からいいものもあるが、新しいものもいい。」

新人は固定観念がないので情報としてそれが良ければどんどん挑戦していきたい、
新規就農者として挑戦していくことへの勢いや責任感を強く感じました。

「子供たちと関わっていける運営をしていきたい。」と、
コロナ以前にブルーベリー園でイベント。

子供達が摘んだブルーベリーを翌日の朝に
ジャムにして食べてもらうという活動を行なっていた話を聞かせていただきました。

いちごは「土耕栽培」と「高設栽培」があり、いちご狩りなどは「高設栽培」が人気ですね。
しかし、保育園や幼稚園の子供たちが来るときは、昔ながらの土耕を希望されるようです。

これから

昨年より始めた「援農」がとても人気で、
ブルーベリーやブラックベリーの収穫を手伝ってもらっているとのこと。
皆さん何度も来られて農業への興味をとても持たれているそうです。

「いちごやブルーベリー、野菜などを通じて、子供達と共有できることを増やしていきたい」と話す中井さん。
ハウス内もとても綺麗に整っていて、人柄がそのままでているのを感じました。

ベリー農家をしながらまだ間口が狭く難しいと話されていましたが、
「まだまだやらないといけないことがたくさんある。」と、どこかワクワクした感じが印象的でした。

周りとの違いをつけたやり方をして、自分の味を出していきたい。
独自性を言える様な生産者にならなければいけない、と。

食べ物は唯一身体を作るものであり、
子供の頃に食べた本当の味を忘れていないはず。

「大人たちがそのことを知っていくことで社会も良くなっていくのでは。」と、
ご自身が農業に触れた頃のことを思い返す様に話される姿を見て、
食を通じて本来感じなければいけないことを知る機会にもなりました。

「いちごは人をハッピーにする！」
中井さんの栽培したいちごは、今日もファームサーカスマーケットにて
たくさんのお客様に購入されています。

【記・撮影　谷口】