神戸市北区のブリュワリーが国内最高賞を受賞!六甲ビールのこだわりとは。
FARM CIRCUSがある神戸市北区の同郷として、うれしいニュースが飛び込んできました。
神戸市北区有野町でビール醸造所を営む六甲ビールが、イギリスで毎年開催されている「World Beer Awards」において、国内最高賞を受賞したとのこと。
FARM CIRCUSとしては2019年以来、約5年ぶりにお話を聞かせていただきました。
※当時の記事はこちらから。六甲ビールの歴史に触れてください。
「もう5年も前ですか。2019年当時はまだ瓶ビールが中心でしたからね。2020年のコロナ禍によって、我々も経営的にダメージを負いましたが、時間的な余裕ができた時に缶ビールの製造体制を整えました。そこから売り上げも伸び、現在は20名ほどが働いています。当時は事務も営業もいなかったですからね。日々挑戦を続けていますよ。」
当時の様子から教えていただいたのは、代表の中島学さん。今回は六甲ビール内の事務所でお話を伺ったのですが、事務所内には恐ろしいほどのモニターの数!
元々IT系のエンジニアだったことを活かし、生産管理や発酵管理、そして需給見込みまで、社内のあらゆるシステムはご自身で構築されているそうです。
こうした客観的なデータの管理や活用も、国内トップクラスのビールを生み出す秘密かもしれません。
賞の受賞について聞いてみます。
ずばり、六甲ビールの美味しさの特徴はなんですか?
「我々のビールの特徴は、総合力ではないでしょうか。評価をいただいているポイントは、ビールを飲んだ瞬間に口の中に香りや味が広がったあと、滑らかに、でもしっかり味が切れることです。質の悪いアルコールや揚げ物は、口の中に残りますよね。味が切れることは大切です。その他にも、ビールには、見た目のきれいさ、泡持ち、飲んだ瞬間の香り、味の繊維など、様々な評価の観点があり、そうした総合力をもって味の評価につながっているのかもしれませんね。」
ビールをはじめとする醸造酒の最大の敵は、酸化。六甲ビールでは、独自に「缶内熟成製法」を採用し、酵母が生きたまま缶へ充填し、缶内で二次発酵させることにより、缶でも樽生のような一杯を実現できているそうです。そして1か月以上の製造期間中、毎日データを取り数値管理することにもこだわっています。
中島さんは、こんな観点も教えてくれました。
「受賞とは直接関係ないかもしれませんが、製造途中でだめだと判断すれば、心苦しいですが、捨てます。そのビールを飲んだ人が“六甲ビールはこんなものか。”と判断すれば、10年は買ってくれなくなるでしょう。だから、そこは妥協できません。安定化させるのは、本当に難しい。」
そうしたこだわりは、ビール界のオスカーとも呼ばれる歴史的な国際的コンペティション「International Brewing Awards2021」にて2品種が受賞。
続けて2024年は「World Beer Awards」の国内予選にて、出品した5品種がすべて受賞し、中でもSAISONという品種は国内最高賞を受賞しました。
今回は、同一部門内で複数の品種が受賞しており、同じメーカーの商品が複数受賞することは大変珍しいそうで、快挙となりました。
一体どんなビールなのか気になりませんか?喉が渇いてきましたね…!
大企業に比べ、まだまだ小さなビール醸造所。なぜこんな快挙が立て続けに起こるのでしょうか。
「できないことはないんですよ。できないと思ったら終わり。社員とも未だに毎日ああでもないこうでもないってケンカしてますからね(笑)。そして、賞を取ったからといって、同じビールをずっと造り続けるようなこともないんです。同じ銘柄でも、毎年進化しています。スマートフォンのアップデートと同じような感覚です。変わり続ける六甲ビールを楽しんでほしいですね。」
六甲ビールの各種商品は、FARM CIRCUS店舗内でもお買い求めいただけます。寒くなる季節、お鍋と一緒にいかがでしょうか?
【記 鶴巻耕介 撮影 FARM CIRCUS】