【誰もが幸せな『エンターテイニングスパイラル』を作り続けていく、神戸市長田区の伍魚福】
“家飲み”がすっかり定着した昨今。
お供のおつまみがおいしいと、お酒がぐっとおいしくなりますよね。
今回は家飲みをもっと楽しく豊かにしてくれる高級珍味メーカー、伍魚福(ごぎょふく)さんをご紹介します。
高級珍味を謳う伍魚福さん。
スーパーやお土産屋さんなど、色んなところで販売されています。
種類がとにかく豊富な為、伍魚福さん専用のコーナーが設置されている事も多く、
ズラッと多彩な商品が並んだ売場は圧巻。
もちろん、FARM CIRCUSでもお取り扱いしています。
そしてその商品のどれもが「すばらしく美味しい」というのが何よりの魅力。
「すばらしく美味しい」という言葉は、取材を受けてくださった社長の山中勧さんが
今回の取材で最初にお話してくださった言葉でもあります。
今回はその言葉を実現している伍魚福さんの魅力をご紹介します。
長田の町で始まった、“酒の肴”を切り口とした商い
伍魚福さんの本社があるのは、鉄人28号の巨大オブジェで有名な神戸市長田区。
鉄人28号が登場するずっと前から、長田の町と共に在ります。
昭和30年、山中勧社長の父と伯父が“有限会社 五魚福”を共同で設立。
初代社長を伯父が務め、酒の肴を切り口とした商いが始まりました。
酒の肴を切り口にした背景には、山中社長の祖父がスルメイカの加工をしていた事があるようです。
最初は「お好みあられ」のパーツや「のしいか」を製造していましたが、昭和30年代後半から酒屋さんへの直接販売をするようになったそうです。
ところで“伍魚福”という名前、ちょっと珍しいと思いませんか?
由来は、なんと占いの結果からきているそうです。
山中社長の父が高校生の時、サイコロを使う占い師さんに占ってもらった時の事。
占い師さんが“五魚福”と紙に書いて無言で差し出したそうです。
意味を訪ねると「五種類の魚を飴で炊いて、つまみを作ったら儲かるぞ」と言われたのだとか。
それをそのまま屋号に採用したそうですが、まさに“つまみ”で成功しておられる事を考えると驚きますよね。
昭和41年には、山中社長の父が社長に就任され、就任4年後に「株式会社 伍魚福」になりました。
“五”の文字が人偏(にんべん)のついた“伍”になったのは、
“仲間と共に、人を大切にしたい”という想いからだそうです。
すばらしく美味しい、と自信を持って販売できる商品を生みだす秘訣は、ファブレス経営
先述したように、伍魚福さんは商品ラインナップが非常に豊富です。
北海道の真イカや明石ダコなど地元食材を使った商品や、生ハム・マンゴー・うにと言った
ちょっとリッチな食材を使った商品など、一般的な“おつまみ”の枠にとらわれていないところが魅力のひとつ。
こうした幅広い商品展開を可能にしているのは、全国に協力工場を持つ“ファブレス経営”だから。
ファブレスとは自社工場を持たないメーカーを意味します。
伍魚福さんはこの言葉が浸透するずっと前からファブレスを実践しておられるのだそう。
伍魚福さんは現在、全国に約200の協力工場を持っているそうです。
そのため、色んな設備、色んな食材、色んな調味料を使って、各工場の良いところを活かした商品を作る事ができます。
通常、メーカーが新しい商品を作る時は、自社工場で製造可能なものでなければなりません。
さらに、食材の管理や仕入れ、様々な問題が邪魔をして、商品開発に時間がかかってしまう事もよくある話。
しかし伍魚福さんの場合、新商品の企画に適した工場で製造してもらう事ができるので、
スピーディーに、そして低リスクで新商品を作れるのだそうです。
そのため年間を通して約50~60種類もの新商品を出しているのだとか。
工場の協力があればこそ “幸せなビジネスモデル”
とはいえ、協力工場があるというだけでは、品質の高い商品をたくさん作る事はできません。
「喜んで協力してもらえるような関係じゃないと、長続きしないじゃないですか。」と山中社長。
文字通り“協力”を得られているのは、伍魚福さんの惜しまぬ努力と、熱いこだわりがあればこそ。
信頼関係を築く努力はもちろん、コストを厭わない、というところもおいしい商品を生み出す秘訣になっています。
伍魚福さんは、たとえ高くなってしまうとしても原材料や味にこだわり抜いて、
「すばらしく美味しい」と思える商品を作るそうです。
コストが大きな課題になるメーカーさんにとって、これは本当に珍しい事。
メーカーさんには『高くてもおいしい方が良いなんて言われると、勘が狂いますわ。』、
なんて言われることも多いそうです。
やっぱりお客様にもっと喜んでもらう為に“すばらしくおいしものだ”と自信を持って売れるものでないと。
海産物、農産物、畜産物に乾き物。
こうして色んな商品を出させてもらえてるのはみなさんのおかげです。
だからうちは幸せなビジネスモデルだと思っています。」
そう話す山中社長の表情はとても嬉しそうでした。
商売の基本“三方良し”を大切に、独自のエンターテイニングスパイラル
エンターテイニング、という言葉には、楽しませてくれる、おもしろい、といった意味の他に、もてなしや接待といった意味があります。
伍魚福さんでは、このエンターテイニングを中心に、螺旋を描きながら上がっていく“スパイラル”という言葉を合わせて「伍魚福エンターテイニングスパイラル」という言葉を使っておられます。
協力企業と一緒になって美味しい商品を作る、お客様に喜んでいただく、小売店も販売量が上がって嬉しい、従業員のやりがいになる、結果として企業も成長できる、もっと美味しい商品を作る。
といった風に、良いスパイラルを生みだし続けることをとても大切にしておられます。
“売り手良し・買い手良し・世間良し”の三方良しという有名な言葉がありますが、
この基本を大切にしているのだと山中社長より説明いただけました。
「エンターテイニングフードを扱ってる会社の人が、毎日青筋立てて悲壮な顔して仕事してるって、おかしいじゃないですか。そういうのもあって“神戸で一番おもしろい会社になろう!”というスローガンを作りました。協力工場さんにも、伍魚福と仕事をしたら楽しいと思ってもらえたら嬉しい。
お客様にももっと喜んでもらえる商品を作って小売店さんにも喜んでもらいたい。」
酒屋さんで販売を始めて努力を重ねて販路を拡大し、今ではスーパーやコンビニ、お土産屋さんや道の駅と、色んなお店で出会う伍魚福さんの高級珍味。
その商品パッケージには、“珍味を極める”という言葉が書いてあります。
この“極める”という言葉には、美味しさを極めるという意味だけでなく、協力工場さんや小売店、従業員さん、そしてお客様への想いが込められているのを強く感じ取れる時間となりました。
株式会社 伍魚福
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【記・撮影 谷口】