-Event Report- ワカメができるまで。
神戸は海にも山にも恵まれた町。
普段は山の魅力や産物などの情報をお伝えしていますが、今回は”海”の産物の魅力を少しお届け。
三宮の東遊園地で、隔週土曜日の午前中に開催されている”FARMERS MARKET”。
神戸市内から農家さんがあつまり、新鮮なお野菜や朝ごはんが楽しめる、人気のマーケットです。
このFARMERS MARKETを開催しているEAT LOCAL KOBEさん主催のイベント『みんなでワカメを収穫しよう!』に、わたしたちFARM CIRCUSも参加してきました。
12月10日。
冬真っ盛りのこの時期に、ワカメの株付が行われます。今回私たちがお邪魔したのは須磨浦。
漁港につくと吹いている潮風が驚くほど冷たく、北区とは別の寒さがありました。
でも豚汁や七輪焼きなど温かい食べ物や、シラスなどの海産物が販売しており、あたたかく楽しい雰囲気でした。
魅力的な販売商品にも心を惹かれますが、いよいよメインのお楽しみ、ワカメ体験へ!
漁師さんからの説明を聞いて、最初にロープとワカメの株がたくさん入ったタッパーが渡されます。
作業はとっても簡単。ロープをねじって隙間を作り、株をはさみこんでいきます。
挟んだらこんな状態。
写真では分かり辛いですが、株は2センチ前後ととても小さいです。
すぐにコツをつかんで、作業スピードがだんだん速くなりました。
この作業がシンプルなだけに楽しく、黙々と行うとおよそ10分ほどで終わりました。
この後、漁師さんが株のついたロープを海に戻してくださり、ワカメは成長を見守る段階へ。
株付けの作業が終わると、みんなで須磨海岸のゴミ拾い。中には、ゴミ捨て専用のトングを持参している強者も。
真冬の海は利用者も少ないしゴミも少ないのかと思いきや、たくさんのゴミが集まりすがすがしい気持ちになりました。
プログラムに組み込まれている意味を感じながら、この日は終了。
この小さな株がどれだけ大きくなっているのか、収穫の日が待ち遠しいです。
2月10日。
作付からちょうど2ヶ月。この日は待ちに待った収穫の日です。
本来ならもう少し大きくなるまで収穫しないそうなのですが、今回は早生の状態で収穫します。
さて、あの小さな株はどうなっているのでしょうか。
漁港につくと、引き上げられたワカメがすでに並べられていました。その光景は圧巻。
たった2センチほどだった株は、およそ100倍のサイズになっていました。
この日の体験は、育ったワカメを切り分けて行く作業。
引き上げられたワカメを、ワカメ、メカブ、茎ワカメにハサミで切り分けていきます。
さて、これ↓がなにかお分かりでしょうか?
答えは”メカブ”です。
スーパーで販売されているメカブは細く切られているものが大半なので、こんな形をしていた事を初めて知って驚きました。
子供たちも「これなにー?」と興味津々。
とっても楽しそうに作業してくれていました。
みんなで頑張って切り分けたワカメは、クーラーボックスがいっぱいになって溢れるほどの量でした。
切り分けが終わったら、お待ちかねのわかめのしゃぶしゃぶです。
ザルに入れてさっと洗ったら、約5秒ほどさっと湯がきます。
ワカメはほんの一瞬で黒っぽい色から鮮やかな緑色に変化していきました。
家で使うワカメは、だいたいが乾燥しているか、処理が施されているものがほとんどなので、1瞬で色が変わる感動はなかなか味わえません。
このワカメを、シンプルにぽん酢で頂きます。さらに、お野菜までサービスしてくださいました。
子供たちもおいしそうに食べていました。自分たちで収穫し事もあって、おいしさもひとしお。
そしておいしさの秘密はそれだけではありません。
今回は早い段階で収穫しているので、大きく育ててから販売している市販の物とは全く違い、とっても柔らかいんです。
FARM CIRCUSでもシーズンになると、農家さんと収穫体験を行います。
収穫体験をすると、これまでには知らなかった食材の魅力を知る事ができたり、その食材がより一層おいしく感じられ、”食の大切さ”を実感することができます。
私たちFARM CIRCUSも、これからも食のイベントを通じて体験や感動をお届けしたいと、改めて考えた貴重な体験になりました。
【記・撮影 太田萌子】