優しさとこだわりの先にある確かな”おいしさ” 真っすぐひたむき、鰹節のカネイさん

優しさとこだわりの先にある確かな”おいしさ” 真っすぐひたむき、鰹節のカネイさん

FARM CIRCUS MARKETでも人気の”かつおふりかけ”を製造している、鰹節のカネイさん。
企業のお名前にも使われているように”鰹節”を製造するメーカーです。神戸市東灘区に拠点を置き、鰹節に関連した様々な商品を送り出し続けています。

鰹節といえば、お出汁を取ったり、お豆腐やおひたしにかけたり、私たち日本人には欠かせない存在ですよね。花かつおや糸かつおなど種類も豊富で、お料理のおいしさを引き立ててくれます。今でこそこうして豊富な種類が出回っているのが当たり前ですが、その礎を築かれたのが、今回ご紹介する『鰹節のカネイ』さんです。
 
 
 
食品業界の発展を願った、食品機械技術の先駆者・団会長

鰹節のカネイさんは、大正7年に“カネヰ商店”として、醤油の卸業からスタートしました。削節部が創設されたのは昭和22年の事。後の会長である団昭三氏によって設立されました。団昭三氏は戦後、彼が高校生の時に飛行機を製造する工場で働いていて、機械いじりが大好きな方だったそうです。そして、工場で会得した油圧技術などの技術を活かし、鰹節の製造にも工夫を重ねました。

そんな団昭三氏が開発した技術のひとつ”窒素ガス充填技術”。これが、食品業界において革命的な技術でした。
食品は空気に触れて酸化すると状態が悪くなってしまいます。鰹節も、昔は紙袋に入れて持帰っていたそうで、せっかくの削りたても、すぐに酸化してしまい味が落ちていたのだそうです。そこで、窒素ガスを充填する事で酸化を防ぎ、食品の鮮度を保った状態で販売する事に成功しました。

始めは、この”ノズル式不活性ガス充填シール機”に特許を取得していました。ところが団昭三氏は業界の発展を願い『技術を独占するのではなく広めよう』と技術をオープンにしたのです。これにより食品業界は大きく発展を遂げます。団さんはいわば、業界の”先駆者”なのです。

その後も団昭三氏は『従業員が安全に働けて、お客様に安心の商品が届けられるように』と、会長でありながら現場で試行錯誤を繰り返しました。現在の社長にもその魂は受け継がれていて、出社すればスーツを脱いで、作業着を着て、現場に立っている事が多いのだそうです。
 
 
 
「相手はプロだから」確かな商品を提供する為に

こうして絶えずおいしさへのこだわりを追求し続けているカネイさんの商品は、プロにも認められています。
実際に、取引先としては飲食店が大半なんだそう。飲食店にとって味がぶれる事は致命的な問題です。だから確かな品質の商品を提供する為に、節の選定から製造に至るまで、徹底的にこだわって製造されています。

“かつお”が鰹節になるまでには、様々な職人による見極めが行われています。
削る技術の前に大切なのは、”節”の品質。味はもちろん、だしの”にごり”や削った時の状態にも大きく影響します。
鰹節にする魚は、お寿司屋お刺身とは反対に、脂が少なく筋肉質なものが良いそうです。まずは“節”を作る職人さんが、適した魚を見極めていきます。
脂が多い魚の節だとおいしいだしがとれません。そうならない為にも、脂の少ない良質な節を、カネイさんの社長や工場長など、確かな目を持った限られた人たちでしっかりと選別します。

こうして選ばれた節が削られ、おいしい鰹節になります。
一口に鰹節といっても、種類は様々。花かつおや糸かつおなど形状の違いもあれば、削り方や厚さによる違いもあります。さらに、サバ、マグロ、アジ、アゴなど魚の種類の違いも重要。たとえば日本料理屋さんではカツオやマグロが、うどん屋さんではサバなど飲食店でも業態によって求められるものが異なります。

このすべての要素が、味を大きく左右します。カネイさんの技術力の高さがあればこそ、厚さや削り方に、しっかりとした違いが出すことができるのです。こうした豊富の種類の中から、それぞれの業態に適したものをきっちり提供する。それが「鰹節のカネイ」さんです。
 
 
 
業界でいち早くHACCPにも認証。安心・安全への徹底した取組

少し専門的な話になりますが『HACCP(ハサップ)』という言葉をご存知でしょうか。食品を製造する際に起こりうるリスクを、あらゆる側面から分析・想定し、未然に防ぐ為に管理する衛生管理制度の事。アメリカで始まり、今や世界各国で取り入れられています。日本でもHACCPの考えを取り入れた衛生管理が今年の6月から義務化されますが、カネイさんは業界でいち早く1997年にこの制度を導入し、既にHACCP認証されています。

HACCP認証されるためには、異物や菌など、あらゆる側面で安全性に対応していなければなりません。中でも、カネイさんが力を注いでいる取組の一つとして、異物混入対策があげられます。
かつお節はもともと、1匹の魚。骨もあれば、魚が何か異物を飲み込んでしまっている事もあります。カネイさんではこれらの不純物を、製造過程で独自の技術を用いて徹底的に排除していきます。他よりも、異物混入には力を注いでいると思うと、営業担当の方は力を込めてお話してくださいました。

その他にも『安心・安全』への取組として、無添加の商品の製造にも力を注いでいます。FARM CIRCUS MARKETでもお取り扱いしている、化学調味料無添加のふりかけシリーズもその一つ(上)。また、兵庫県内の食材を吟味して選び、『五つ星ひょうご』に認定されているふりかけシリーズ(下)もあります。この安全性が支持されて、アレルギーや安心性が求められる保育園や老人ホームなどにも、重宝されているのだそうです。
 

(兵庫県食材を使用したふりかけシリーズ。兵庫県「五つ星ひょうご」に認定されている。)
 
 
妥協しない“おいしさ”への徹底的なこだわり

カネイさんは“おいしさ” にも一切の妥協がありません。例えば、先程ご紹介したふりかけ。ふりかけといえば、細かい粒状でパラパラしている事が多いですよね。ですが、カネイさんのふりかけは、一味違います。“花びら”をなるべく大きく残し、なおかつ大きな花びらにまんべんなく味が付くように工夫が施されています。そうすることで、パリパリとした食感を楽しむことができます。
このパリパリとした食感を保つため、ふりかけは温度・湿度管理されたラインで製造しています。また、袋はきちんと密閉できる3重構造のものを採用するという徹底ぶり。

こだわりの詰まったカネイさんのふりかけはFARM CIRCUSでも人気で、リピーターもたくさんいます。決してお安いというお値段ではありません。それでもリピーターが多いのは、職人の想いやこだわりが、“おいしさ”としてお客様に届いているからこそなのでしょう。
 
 
 
『鰹節を世界へ』今後の展望
ユネスコの無形文化財に登録されたり、お寿司やラーメンが世界に進出した事で、鰹節は今世界でも注目され始めています。この流れを背を押され、カネイさんでは鰹節の世界進出にも取り組んでいくと言います。とはいえ、世界にはハラールの問題などがあり、一筋縄ではいきません。ハラール食品として認定されるかどうかの基準は、国によって異なります。それぞれの国の基準に則った安心・安全の商品を製造し、鰹節のおいしさを理解してもらえるよう取り組んでいくのだそう。

これだけの技術をもってしてもなお、慢心することなく高みを目指すカネイさん。さらには、従業員の方が働きやすい環境づくりも意識していると言います。『法律順守で、みんなが愛着を持てる会社をどう作っていくか』という事を、社長がいつも考えているのだそう。

業界の発展を願って特許を手放した団会長、使い手のこだわりに最大限答える確かな商品力、食べる人の事を想った安心・安全への徹底した取組、そして、従業員への想い。誰かへの想いが常にあって、それにこたえる為に努力を欠かさない強さが、カネイさんの商品力の根底にあるのだと感じました。

こだわりたっぷりのカネイさんの鰹節やふりかけ、ぜひ一度その違いを感じてみてください。

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