但馬牛の品評会「第100回 共進会」と「見て、食べて、学んで、遊べる」イベントレポート!

但馬牛の品評会「第100回 共進会」と「見て、食べて、学んで、遊べる」イベントレポート!

明治42年から毎年、兵庫県下で開催されている但馬牛の品評会「共進会」
食肉用としての肉牛と、子どもを残すための種牛の2部門で、そろぞれ優秀な但馬牛が選ばれます。

2018年10月28日、神戸フルーツ・フラワーパークで記念すべき第100回目の共進会が開催されました。
同時開催された「見て、食べて、学んで、遊べる」イベントの様子と併せて、当日の様子をレポートします!

この日だけ味わえる、但馬牛を使ったフードメニュー

まずは大人気のフードコーナーから、みんな大好き「但馬牛の牛すじカレー」
和風出汁が優しい、どこか懐かしさを感じる味です。辛すぎないカレーの中に、煮込んで柔らかくなった牛すじがたっぷり。贅沢すぎるカレーでした。

ふたつめは「但馬牛のパニーニ」
特徴は自家製デミグラスソースを北神みそで柔らかく煮込んだ大きな牛すじ。一口では収まらないほどの大きさの牛すじからジュワっとにじみ出る、お肉のうまみがたまりません。

3つ目はケルンの「但馬牛すじ煮込みとフロマージュのカスクート」
国産小麦のフランスパンに、牛すじとこんにゃくを煮込んだものをサンドし、グリエールチーズをトッピングして焼き上げたカスクートです。甘辛くこってりとした味にスパイスがピリリと効いています。
店頭に並べたそばから飛ぶように売れ、お昼過ぎにはなんと売り切れてしまうほどでした。

最後は「但馬牛の肉盛りそば」
手打ちのお蕎麦のうえに、甘辛く煮込まれた但馬牛が贅沢に盛り付けられた逸品です。手打ちのお蕎麦の風味と、すき焼き風のつゆの相性がばっちりでした。

ほかにも、但馬牛の牛丼、BBQ会場で楽しめるこの日だけの「神戸ビーフセット」などもありました。胃袋が許すなら全部食べてしまいたかった……!

但馬牛の魅力を学べるイベントコーナー

会場内には、但馬牛の魅力や秘密に迫る展示ブースが設置されていたり、隠されたヒントをもとにした無料の謎解きゲームも開催されていました。

「但馬牛が1日に食べるえさの量は?」 

「牛にも人間の指紋と同じような『鼻紋』があるって知ってる?」
などのような質問に答えながら、但馬牛について楽しく学ぶことができました。

参加者先着1000人に、オリジナルバッグもプレゼントされました!

丁寧に愛情を込めて育てられた牛たちのセリ

この日、神戸フルーツフラワーパークに集まったのは、県内各地の予選を勝ち抜いた107頭の牛たち。

生産者さんの了解を得て、種牛(ゆりかの1)の体を触らせてもらいました。ふかふかと柔らかく、しっとりつやつやとした感触です。

「少しでも綺麗に見えるよう、体毛をカットしています。カットは人に教えてもらったり、見よう見まねで自分でしているんです。頭から背中のラインが水平になると見栄えが良くなる気がしています。

牛の角は放っておくと白く粉が噴いたようになってしまうので、定期的にヤスリでこすって油を擦り込んでケアしているんですよ。

体もちゃんとお湯で洗います。5日〜7日に1度程度です。最初は嫌がるのですが、習慣になると気持ちよさそうな表情をして、なんだかお風呂を待っているような気がします」

こうして手をかけて、愛情をこめて育てた牛たち(肉牛64頭、種牛43頭)が、最高評価である名誉賞をかけて競い合いました。
トップの名誉賞には、肉牛の部で養父市の太田さんが育てた「芳丸」、種牛の部で香美町の上田さんが育てた「ちよ4」がそれぞれ輝きました。

その後、受賞した牛を含む全ての肉牛が競りにかけられます。

競り会場はその熱気で暑さを感じるほどでした。名誉賞の「芳丸」はなんと、過去最高の1113万4800円で落札されました。

おわりに

わたしたちがふだん何気なく手にしている牛肉。その牛肉が店頭に並ぶまでの過程には、生産者の方の多くの努力と愛情、そして何より「牛の命」があります。

見て、食べて、学んで、遊んで、そして毎日の「いただきます」に改めて重みを感じたイベントでした。

文:さかたえみ 写真:山見ミツハル

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