-Event Report!- FARM CIRCUS工房市 その2

-Event Report!- FARM CIRCUS工房市 その2

12月1日、FARM CIRCUSではじめての『FARM CIRCUS工房市』が開催されました。
その時にご出店くださった作家さんをご紹介しています。
前半の『-Event Report!- FARM CIRCUS工房市』と併せて、お楽しみください。

花あそび◆◇右田正子さん

こんな素敵なガーデンがあるお家に住んでみたい!と思うようなかわいいミニチュアガーデンを作るのは、作家の右田さん。造花を使って、ミニチュアガーデンをはじめ気軽におけるインテリアなどを販売しておられました。造花の他にもブリザーブドフラワーなども使いながら、生花と見まごう程いきいきした造花作品を作っておられます。お客さまにもよく「お水はあげないといけないですか?」とよく聞かれる程。

普段はご自宅横に小さなお店を構えて、講習などをしているそうです。趣味でやっている、との事でしたが、その範疇を圧倒的に超えた素敵な作品は、女性の心をつかんで離しません。


右田さんはとっても優しく、柔らかい方で、お花がとっても似合う素敵な女性でした。
 
 
 
日常組◆◇西村正徳さん
ん?

なんだろう?

ひときわ目立つ不思議なオブジェが目を引く、日常組。作者の西村さんは、大型作品をメインに作る作家さんです。六甲ミーツアートなどのアートイベントに出店したり、個展を開催したりと幅広く活躍されています。東京の新宿のビルにも、依頼を受けて作品を展示したこともあるのだとか。設置だけでも半日はかかるような大きな作品を、一人で作っていらっしゃいます。

この日はマルシェだったので、お客さまに向けて陶芸作品を作って持ってきてくださいました。昔に作ったものや、今回新しく作ったものまで様々。でも実は、陶芸作品を作ったのは30年程ぶりだそうで、普段は講習で教える程度なのだそう。

西村さんの作品の中に、本来廃棄になる工芸用の廃ボンベを使った作品があります。神戸の復興の象徴”ひまわり”を作ったり、プランターを作ったりと、リサイクルした作品を多く生み出しています。廃棄になるものを使う事で、環境にも配慮しています。ちなみにプランターを作ったのは、”日常組”という名前の通り、人々の日常に寄り添えるものを、と思ったからだそうです。

西村さんの大型作品にもご興味のある方は、ぜひ検索してみてください。
 
 
 
野の花山の花◆◇大久保けいこ
今回のマルシェで唯一の染め物職人、大久保さん。草木染をメインに染め物をはじめて40年近くになり、神戸の芸術家を紹介する”31人の芸術家たち”という本でも紹介された実績もあるベテランの職人さんです。

大久保さんの作品には、美しい草花が描かれています。昔、山に登るのが趣味だったそうで、そこで見たものを作品に描いているのだとか。タペストリーやストール、カバンにコースターなど、装飾品から日常に使えるものまで幅広い商品を作りだしています。

作品を描く際に使用しているのは、日本絵の具。特殊な樹脂と併せる事で、洗濯しても落ちないようにしているのだそうです。とはいえ、商品にもし何かあっても大丈夫なように、購入してくださったお客様に連絡先をお渡ししているんだとか。「せっかく気に入って買っていただいたんだから、やっぱりねぇ」と、アフターケアを心がけているそうです。


こちらは草木染のストール。パステルの優しい色合いは、自然の草木だからこそ出る色合いです。春になったら、こんな色のストールを巻いてお出かけしたいですね。

大久保さんは作品作りの他に、個展や展示会を主宰したり、草木染の講師もしています。講習は通常は室内で行われますが、年に一度、野外で焚き出しで染める講習もしているのだとか。更に、絵のコンテストの審査員をすることもあるそうです。芸術家として、これからもたくさんの人の日常に花を添えていかれる事でしょう。
 
 
 
WTM◆◇ウィリーさん

ウィリーさんは、ペルー出身の作家さん。昔はペルーでサッカー選手をしていて、結婚を機に来日。実は、先程ご紹介した大久保さんの娘婿さんなんだそうです。来日してから革細工を始め、3年間修業をして、経験と実績を積んで独立しました。独立前は、大久保さんと一緒に作品を売り回ったりコツコツと努力を重ねてこられました。


ウィリーさんの作品には、100%日本製の牛革が使われています。通常、裏地のポケットなどには普通の布が使われることがほとんどですが、それも全て牛革。日本製の牛革は、それほどに質が良いのだと言います。

もう一つのこだわりは”軽さ”。ちょっと持ってみて、と渡されたカバンを持ってみると、、軽い!これなら長時間持ち歩くのも、億劫になりません。重い鞄だと持っていて疲れるからと、使い手の事を想って、とことんまで軽量化されています。
ウィリーさんは、オーダーメイドも受け付けていて、万が一壊れてしまっても無料で修理をしているのだそう。「使いたいと思ってくれることが嬉しいから」というウィリーさんの表情には、作品への愛情がにじみ出ていました。


とはいえウィリーさん、実は牛革以外にも唯一使っている素材があります。それは、ペルーの伝統生地。世界遺産のクスコにある市場で仕入れているそうです。この特徴的なデザインが、革製品にぐっと個性を持たせ、オリジナリティあふれる作品になっています。同じものは一つとない、世界に一つだけのデザインです。
 
 
 
ラビアン・ローズ◆◇井原幸子さん、西井眞理子さん、谷孝子さん

とっても元気な女性が迎えてくれたのは、ガラス工芸のラビアン・ローズさん。
手前の女性は昔、学校の先生をしていたそうで、ガラス細工はご退職後に工芸館に習いに行ったことがきっかけで始めたそうです。以来、ガラスに魅せられ気が付けば15年も続いていたのだとか。今では、工芸館で講師が足りない時に、臨時講師をする程の腕前に。この日も、前日に教えた生徒さんが買いに来てくれたのだとか。

もう一人の女性は昔からガラスが好きで、昔から変わった形のガラス瓶を集めたりしていたそうです。『ガラス愛』とおっしゃった時の笑顔がとってもキラキラしていて、心からガラスが好きなんだなぁと、ひしひし伝わってきました。


ラビアン・ローズさんの特徴は、その種類の豊富さ。吹きガラスにバーナーワーク、キルンワーク(電気釜を使う技法)、ステンドグラスなど、色んな技法を駆使して多様な作品を作っています。店頭にはアクセサリーにグラスにインテリアオブジェにと、幅広いアイテムが並んでいました。


この日はとても天気が良く、日の光が差し込んだガラスがキラキラと輝いていました。
 
 
 
工房 木楽屋◆◇永瀬浩之さん

永瀬さんは、寄木を得意とする職人さん。普通の木工工芸と違い、色んな種類の木材を組み合わせて1つの木材にしてから、作品を作っていきます。その為、通常の木工工芸より手間もコストもかかるので、木工職人でも手を出さない方が多いのだとか。
それでも永瀬さんが”寄木”にこだわるのは、普通の物を作っても、他の人の作品と差別化できないからだと言います。実は永瀬さん、もともとは建築関係のお仕事をされていたビジネスマン。その為、木工工芸を商売としてやっていくためにビジネス的な側面も考えておられます。

そんな永瀬さんの作品は確かにどれも個性的。寄木を全面に出したり、ポイントに使う事で、圧倒的に存在感のある作品を作っています。


永瀬さんの寄木に使われている木材は、淡い色からこげ茶色、木とは思えないような紫色など、とってもカラフル。ですがどれも、染めたり色を付けたりしていなんです。そのままの木の色を活かしています。だから、どれも自然の柔らかさがあって、安心するような温もりがありました。


 
 
 
いかがでしたでしょうか。
お話を聞いてみると、職人さんはみなさんそれぞれに、素材や技法にこだわり、使い手のことを想って、愛情をこめて作品を作っておられました。こだわりを聞いて、作品をもっと知ると、お買物ももっと満足したものになります。
FARM CIRCUSでは今後も工芸マルシェを開催していく予定です。自分だけのお気に入りを見つけに、遊びにいらしてください。そしてちょっと勇気を出して、職人さんとお話してみてはいかがでしょうか。きっと楽しいお買物の時間になります。

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