地元神戸で愛されて41年の老舗喫茶から生まれた地産地消の味

地元神戸で愛されて41年の老舗喫茶から生まれた地産地消の味

地産地消をあそぼう!を合言葉に、地域に根付いた道の駅を目指すFARMCIRCUS(ファームサーカス)。
FARM CIRCUSのMARKET(直売所)では、神戸で活躍するつくり手やお店の商品がずらりと並びます。
そのなかで、最近人気を集めているのが、神戸市灘区に本店を構えるハンドメイドのタルトや焼きドーナツ。
FARM CIRCUSとコラボレーションし、地元神戸の米粉をつかって開発されたお菓子です。
そんな地産地消を愉しめるお菓子を生みだしてくれたハンドメイドを取材させていただきました。

まずお話をお伺いしたのは、2代目社長の正井さん。
もともとハンドメイドは、正井さんのお父様が自家焙煎した珈琲をだす喫茶店として今から約40年前に始められました。
喫茶店のお客様に何かおもてなしができないかとハンドメイドの代名詞とも言える
「神戸とろりん」と呼ばれる驚くほどとろとろのプリンが誕生しました。

2代目である正井さんの代にかわってから約20年。さらに商品開発にも力をいれ、様々なお菓子が生まれました。
喫茶店での販売だけでなく、ネット販売や百貨店への卸し、海外への展開など、
神戸で愛されている味を全国、世界へ広めたいという想いで、多方面に商品を知ってもらうよう働きかけたそうです。

ハンドメイドのお菓子の特徵は、なんと言ってもその食感。
表面のみ固まっているようなとろとろの食感のプリンに次いで、人気なのはシューフォルマッジーノ。
米粉と餅米で作られた生地は、開発に1年半かかってやっと理想の食感にたどり着いたお菓子だそうです。

ハンドメイドのお菓子を作る神戸市西区にあるケーキファクトリーにお邪魔しました。
ここで、長く愛されてきてその品質を守り、また新たな味を開発すべく現場を統括しているのが、
お菓子作り歴30年になる田路さん。
FARM CIRCUSとコラボレーションしたタルト、焼きドーナツについてお伺いしました。

兵庫県は言わずと知れた酒米・山田錦の名産地。
大吟醸などを作る際に米を削ることから生まれる米の削り粉で、
お菓子を作って欲しいというFARM CIRCUSからのリクエスト受け、試行錯誤した田路さん。
通常の米粉よりかなり粗めな山田錦の米粉は、最初は少し扱いが難しかったそうですが、
素材とかけあわさることで米本来の味わいが引き立ちやすいことがわかり、
その味わいを活かしたお菓子作りを心がけたそうです。

できあがったタルトは全部で4種類。
和の素材をかけあわせ、それがより一層引き立つようにと柑橘の風味を聞かせた「甘酒」×「レモン」味。
もうひとつ和の素材を愉しめるものとして、「抹茶」×「オレンジ」味も開発。
その他、アーモンドの香ばしさが愉しめるプレーン味、クランブルがアクセントのチョコレート味。
どれも、地元の米粉の味わいを存分に愉しめるお菓子になりました。

今回、FARM CIRCUSから地元の米粉を使ったお菓子作りの相談を受けて、
地産地消に取り組める良い機会をもらったと話してくださった正井さん。
これからも、神戸の食材を使って、ひと味ちがう食感のお菓子を生みだしてくれることでしょう。

取材日:2017年8月27日 取材場所:神戸市灘区ハンドメイド灘店、神戸市西区ハンドメイドCAKE FACTORY 取材・執筆:濱部 玲美 写真:福原 悟史

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