43歳から夢を叶えて就農した白杦さん
もともと全く違う業界で会社員として勤めていた白杦さん。
かねてから農業に強い興味があり、いつか自分の畑を持って農業をやってみたい!と思っていたそうなのですが、
その決意を形したのは今から約7年前の43歳の時。
野菜を作るということに興味があったものの、野菜については全くの素人で、
当時は小松菜とほうれん草の違いもいまいち分かっていなかったと話してくれた白杦さん。
一念発起して農業学校に通い、必死で勉強を重ね、土作りの難しさとその奥深さにさらに決意は強まり、
やっとの想いで就農して、今年で6年目になります。
神戸市北区の谷あいにある白杦さんの農地は、冬場はマイナス10度と凍てつくような寒さになる場所。
厳しい環境ではあるけれど、冬の時期は寒さに自身を守ろうとぎゅっと縮まって糖度を増す
縮みほうれん草がおいしく育つんですよ、と嬉しそうに話してくれる白杦さん。
冬の寒さだけでなく、すぐ隣は山で、山の中は獣だらけ。猪やアライグマもおりてくる場所なので、
せっかく育てた野菜が食べられてしまうことが多いのも悩みの種のひとつだそう。
自然と共存しながら営む農業の厳しさを感じながらもその面白さにのめり込む毎日だと話してくれました。
良い菌といかに共存するかを大切にして土作りをする白杦さん。
竹パウダーやカニ殻など、発酵をうながして良い菌を増やすために思考錯誤する毎日だそうです。
毎年同じことをしていても、全く違う味わいに育つ野菜たち。
難しい反面、飽きがこない農業の魅力にどっぷりはまってしまった白杦さん。
今は自分にできることを積み重ね、まずは10年、技術を極めていきたいと熱い想いを話してくれました。
取材日:2017年6月12日 取材場所:神戸市北区八多町 農園名:しらすぎ農園 取材・執筆:濱部 玲美 写真:福原 悟史