教えてもらったことをしっかりと。いちご農家4年目、松原彩香さん
冬から春にかけ、FARM CIRCUSの直売所を日々彩ってくれるのは、大人気のいちごです。
その中でも、きれいに並べられたパッケージに一段と目を引かれるのは、神戸北まつばら農園、松原彩香さんのいちごです。神戸市北区八多町で、子育てをしながらいちご栽培に奮闘する彩香さんを訪ねました。
「いちごを育てているハウスの近くに、祖父母の実家があります。小さい頃はおばあちゃんが野菜をつくっているのを手伝うくらいでしたが、自分にも子どもができて、この場所の見え方が変わりました。守らないといけないなって。」
彩香さんは、就農4年目。ご自身のハウスで栽培を始めて2年目の農家さんです。
三宮にあるアパレルの会社で働きながら、結婚と出産を迎えました。会社では、徐々に管理側の仕事になっていくものの、自分の手で何かをつくりたいという想いと、祖父母の家や周辺環境を守るために、ここに仕事をつくろうと決心されました。
いちご農家の朝は早い。
12月から真冬を越えて夏の足音がするまで、毎朝4時に起きてハウスに向かいます。早朝の暗がりと厳しい寒さの中、いちごの収穫とパック詰めをして、午前中には直売所などに納品します。その後、苗のお世話をして、少し長めの昼休憩を取り、夕方まで再び作業をしたら農作業は終わります。家に帰った後も家族の夕食をつくり、塾の送り迎えなどもあるそうです。
なんともハードですが、休みたい時にぱっと半日休めますしなんとかなりますよと笑う彩香さん。母は強しです。
栽培のこだわりを聞いてみました。
「こだわりですか?うーん…、まだまだその段階にいくのは早い気がします。いちごの栽培を教えてくれた農家さんが本当に勉強熱心な方で、まずは教えてもらったことをミスなくやる。真面目にやる。それに尽きるのかなと思います。」
彩香さんのハウスは、きれいに整頓されていて、1つ1つのことをしっかりされていることが伝わってきます。
“しっかりやる”で特に伝わってくるのは、いちごのパッケージ。FARM CIRCUSでも特に目を引く神戸北まつばら農園のいちごは、とても人気があります。
「販売や売るための工夫には興味がありますね。前職の経験も活かしながら、どうやったら手に取ってもらえるかを考えるのは好きです。せっかく一生懸命つくったので、しっかり売りたい。昨対比の売上とかめっちゃ意識しますよ!」
実は数字が大好きですと笑う彩香さん。
買ってもらう人への目線、経営者としての数字の目線。
彩香さんのお客さんへの視点は、いちご狩りにも表れています。
「今年はありがたいことに取引先が増えたりしてあまり開けなかったのですが、この場所に来てもらうというのも大切にしています。自分がつくっているものをダイレクトに評価してくれて、喜んでもらえるのもうれしいです。各品種の掲示や、歩く場所のお掃除、もちろん愛想も大切にね(笑)。私のいちご狩りは、ハウスを全面開放しています。やっぱり選ぶ楽しさが欲しいですよね。」
なんともうれしい全面開放。目を輝かせながらいちごを選ぶ子どもたちの姿が目に浮かびます。
こうした工夫から、ある旅行サイトのリピート率で関西の敢闘賞を受賞したそうです。なんと1シーズンに20回(!)以上来てくれた人もいるとか。多くのファンやリピーターを生んでいるようです。
いちごは、次のシーズンに向け既に準備が始まっています。
日々苗の様子を見ながら、病害虫などの被害がないように、冬まで大切に育てていきます。
次のシーズンの神戸北まつばら農園のいちごといちご狩り、どうぞお楽しみに。