地元の水と餌で丹精込めて育てられる三田マルセ牛

地元の水と餌で丹精込めて育てられる三田マルセ牛

FARM CIRCUS MARKET内に直売所を構える肉のマルセは、
創業43年目を迎える地元で長く愛されている肉屋さん。
三田にある本店には、肉だけでなく近隣農家さんが育てた野菜もずらりと並び、
地元の人の需要にこたえて一緒に歩んできたことが伺えます。
店内で特に目にとまったのは、肉のマルセの代名詞とも言える“三田マルセ牛”。
肉の赤味部分は、発色が良く、脂がきれいにのっていました。

「あずき色くらいの赤味がおいしいんだよ。」
そう教えてくれたのは、肉のマルセで牛を育てながら販売を行い18年になる梅脇さん。
赤味の部分が、薄いピンク色よりも若干あずき色くらいの濃い色の方が、
甘みが強く、それでいて香ばしい味わいが愉しめるのだそう。
店頭に並ぶ“三田マルセ牛”は、梅脇さんの話す通りどれも赤味の色が濃いものばかりでした。

肉のマルセ独自で育てて販売する“三田マルセ牛”(登録商標)とは、
但馬系統牛(但馬の血筋がはいった牛)の仔牛を、
三田近隣でマルセ独自の餌を与えて、28ヶ月以上かけて大切に育てる牛のことです。
この辺りでは、三田牛や神戸牛、但馬牛などの有名ブランド牛が多く育てられていますが、
県内の仔牛の数はどんどん数が減っている状況。
このままでは、ブランド牛の肉の値段はどんどん高くなり、
本当においしい肉をお客様の手に届ける難しくなってくると考えた肉のマルセが、
他県の仕入れでも、但馬の血統の優良な仔牛だけを目利きして購入し、
良い環境とこだわりの餌で育てることで生まれた牛が“三田マルセ牛”なのです。

さらに“三田マルセ牛”は、おいしい脂がつきやすく味が濃いといわれる雌牛だけにこだわります。
その雌牛に、ミネラル豊富な武庫川水系の伏流水を地下から汲み上げてたっぷり与え、
脂に粘りや甘みが増す地元三田の小米、地元三田の稲わら、
そしてマルセ独自で配合した麦やトウモロコシ、大豆などを混ぜ合わせた餌を
1日2回与え、毎日の健康状態を1頭1頭ケアしながら丹精込めて育てます。
直営牧場のある三田近隣の気候は、1日の寒暖差が激しく牛の体を引き締めて
肉質を高めてくれるともいわれているそうです。

「仔牛としてここにきてから2年以上一緒にいますからね。愛着が湧きます。
でも、相手は喋らないから難しいんですよね。」そう話す梅脇さん。
生き物と常に向き合う仕事は難しく答えがない、試行錯誤を重ねる毎日だと話してくれました。

地元とともに歩み、より一層お客様に寄り添い続けるために、
独自のブランド牛を育てあげた肉のマルセ。
自分たちで育てて、自分たちで1頭丸ごと無駄なく売り切る、
牛舎直送というスタイルで、おいしい肉がお客様により身近な価格になるようにと、努めています。
FARM CIRCUS MARKETに並ぶ、
“三田マルセ牛”の美しい赤味の肉を是非堪能してみてください。

取材日:2017年4月21日 取材場所:兵庫県三田市 肉のマルセ/直営牧場 取材・執筆:濱部 玲美 写真:福原 悟史

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